【星の最期】超新星爆発や赤色巨星を分かりやすく解説!
- 2021.01.31
- 星を知る
宇宙に輝く星たちにも私たちと同じように死があります。
今回は星がどのようにして最期を迎えるのかを解説していきます。
「星が死ぬ」とは?
星が死ぬ時というのは燃料である水素を使い果たしたときです。
恒星は水素を燃料にして輝いていますからね。
星の最期はその星の質量によって決まる
星は生まれた時の質量によってどのようにして最期を迎えるのか決まります。
太陽の10倍以上もの質量を持つ大質量の恒星だと赤色巨星~超新星爆発を起こしますが、太陽ほどの質量の星は寿命が近づくと赤色巨星→白色矮星→黒色矮星と段階を踏んで最期を迎えます。
さらに軽い星は赤色巨星にもなれずゆっくり冷えていくと言われています。
実は宇宙全体の恒星の7割は質量の軽いものだと言われ、太陽は恒星のうち上位5~10%に入るかなりの質量を持った恒星です。
その中から超新星爆発を起こすほどの恒星はさらに限られてくるんですね。
ある程度の質量を持った星はまず赤色巨星に
恒星は燃料である水素を使い果たすと、ヘリウムからなる中心核とそれを取り巻く水素の外層部分という構造になります。
これにより水素の外層部分で核融合反応が始まります。中心部では核融合反応による放射エネルギーがなくなるために自身の重力によって収縮していきます。
この重力による収縮によって熱が発生するため、外層部分は常に加熱されている状態となり核融合反応がさらに加速していきます。
核融合で生じた熱よって外層は外へ膨張しようとし、重力による収縮を振り切るようになります。
結果星の外層部分は大きく膨らみ、膨張によって温度が低下するために赤色に輝くようになります。
これが赤色巨星です。
大質量の恒星の場合
赤色巨星になった後、太陽の8倍から100倍ほどの質量を持つ恒星は自身の重力によって中心核が凝縮し中心核の温度は上昇し続けます。
ヘリウム→炭素→酸素→ネオン→マグネシウム→アルミニウム→硫黄と順次核融合反応によって重い元素が作られていきます。
硫黄は最終的に鉄になり、ここで完全に核融合反応がストップします。鉄はあるゆる元素の中で最も安定した元素であるからです。
核融合がストップしたことで一気に内側に収縮し始め、中心部では核融合とは逆に鉄がγ線を吸収してヘリウムと中性子に分解される「光崩壊」が起こることにより、星の中心は空洞と同じような状態になります。
その空洞に周りの物質が急激に中心部に落ち込み、圧縮され「コア」が中心部に形成されます。
そのコアに落ち込んできた物質が跳ね返され強い衝撃波となって外方向に向かい、星の外層部をを爆発的に跳ね飛ばします。これがII型超新星です。超新星爆発とも言います。
このとき中心核は残りますが、重力が非常に強いため、電子が陽子の中に吸収されてしまいほとんどが中性子からなる中性子星が出来ます。
また質量が太陽の30倍以上の星だと、中性子星になっても自身の非常に強力な重力によって極限にまで収縮していきます。そうすることでさらに重くなり。光さえも脱出できないブラックホールとなっています。
質量が太陽の1/10~8倍までの質量の星
赤色巨星になった後は、重力による収縮によって中心核の温度が十分に高くなると核融合反応が進みヘリウムが炭素に合成されていきます。
ヘリウムが全て炭素になると中心核は地球程度の大きさにまで凝集し、密度の非常に高い白色矮星となります。
一方中心核から離れている外層のガスは重力による束縛が弱いため、徐々に星から流出していきます。このとき中心核の放出する紫外線にガスが照らされて輝きますが、これを惑星状星雲といいます。
白色矮星はすべてのエネルギーを使い果たすと、黒色矮星(実際には観測されていない仮説上の天体)になり、その一生を終えます。
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